放射能をお掃除

GWのおかげかすっかり自粛モードもなくなりましたね音譜
原発のニュースもあまりテレビでやらなくなり、このまま忘れられそうでちょっと心配です。


東京や埼玉の関東圏はそんなに気にしなくて良いのかも知れないけれど、
少なからず放射能が地表に溜まっているそうです。
私たち大人は大丈夫かも知れないけれで、ちいさな子供たちは地面にとっても近いですよね。
ちょっと気をつけて自分の家のまわりだけでも、綺麗にしてあげたいです。


郡山の学校のように、福島県全体で放射能の除去が進むことを願いますアップ


(以下、転載です)

連休開けの生活(10) 掃除と被曝・・・庭と公園、道路の植え込み、側溝へ

郡山の小学校で校庭の表土を取り除いたら、3.2マイクロシーベルトが1,9マイクロになり、一部では0.5マイクロまで下がったと言われています。

ひさびさ、大変に素晴らしいことです。

セシウム半減期は30年ですから、この作業を指示した市長は自分の決断で「市民、30年分の被曝を除いた」ということですから、市長の鑑です.

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もちろん、これは小学校だけではありません。今度の福島原発で汚染された地域は家庭でもレストランでもどこでもおなじです。

それでは、「連休の時期」には、どこを掃除すれば一番、効果があるだろうか? 読者から貴重なデータが提供されました。

【大掃除の結果!!】

● 窓、窓枠、網戸、外壁の洗い流しは効果が見られず

● 雑草を刈り取ったところ(クローバーと稲科の細長い葉)は60%に減少

● 植木鉢の土入れ替えは35%に減少

ご家族で大変な作業だったということですが、良かったですね。ヨウ素が無くなってから、セシウムに代わると30年です.それが半分ぐらいになったのですから、これから毎日30年も違うのですから、ご家族の将来の健康は安全側になりました。

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この結果は私がもっているデータともおおよそ合います.

1. 第一期(爆発から3月下旬まで)
空気中の浮遊物が多く、室内やトンネルなどでは放射線が低かった(放射性物質のチリが空気中を飛んでいる最中)

2. 第二期(道路などに落ちてきた時期。4月上旬)
この時期、東京の浅草などで、空気中の線量が0.1マイクロを切っているのに、地面は2マイクロぐらいだった時代。横浜市の空気中の測定がビルの5階でやっているので、もう少し低い場所で測定してくださいと求めていた時期。
福島県のある地点では、歩道上の高さ2メートルで1マイクロの時、歩道の地面の上は20マイクロというデータや、千葉県の作物を植えていない畑が空気中より4倍程度の放射線量だったという測定値がでていたころです。

3. 第三期(4月下旬)
放射性物質が徐々に道路のような「固いところ」から移動し、また「草や水たまり、側溝」などにたまっていた時期です.
たとえば、福島市では庭では、3マイクロシーベルトなのに、雨樋の下は12マイクロ、雑草が50マイクロ(実に10倍以上!!)、落ち葉の上が20マイクロとなっていました。

これらの結果と、大掃除をされたご家庭の結果はかなり良くあっています。つまり、

「最初は空気中、それから道路や窓、壁にうっすら付いていたものが、少しずつ水たまり、草の上、植木鉢の土などにしみこんだり、移動したりしている」

ということです。

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そこで、身の回りの最後の大掃除として、

1) 庭を中心に、植木鉢、庭土の表面を薄く取って入れ替える、

2) 雑草を徹底的に抜く(雑草が土の中から放射性物質を取り込んだのではなく、空気中の放射性物質が雑草の上にのって、そのままくっついている)、

3) 庭木、花などの葉に水をかけて、できれば丁寧に拭き取る、

4) 玄関先から側溝までを水をかけながらゴシゴシ洗う、

5) 雨樋、落ち葉の吹きだまりについては個別によく見て、普通なら黄砂や火山からの灰などが吹きたまるところの水、土、落ち葉などを慎重に取り除き、あるいは土の少しを除く.かなり高い放射性物質を含むことがある、

6) 1回大掃除をすれば、今後は要らないと考えられるが、雨樋の下や吹きだまりはしばらく注意をして取り除いておく、

などが推薦できます.

郡山の小学校やご家庭の大掃除のデータから、これで身の回りの放射線が2分の1になると、東京などは「完全に安全」の領域に入り、埼玉、千葉、栃木の南部、群馬、神奈川、山形の東南部、仙台以北の宮城県なども「ほぼ普通通りの生活」ができるようになると思います.

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なお、できるだけ地域で側溝、公園(特に落ち葉と雑草)、道路の雑草、舗装歩道で煉瓦などのものの間、商店街の道路の植え込みの葉などの洗浄を進めると効果がさらに上がると思います.

東電のミスでこんなことをしなければならないのは、実に腹立たしいのですが、そういってもすでに「半減期30年」の放射性セシウムが付いている以上は、自衛のためにとりあえず行動をするのでしょう.

自然の放射線は、1時間0.02マイクロぐらいですから、1マイクロでも50倍の放射線に相当する放射性物質があることになります。少しでも減らすのはこれから長い間、生きていく子供達のためにも大切ですし、地面に近いところは子供達が接するところですから。

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ところで、残土は東京電力に電話して引き取ってもらう(もともと東電福島原発のものですから、東電に誠意があったら「ご家庭を汚してすみません」と頭を下げて取りに来るでしょう)のが一番良いですし、自治体が引き取ることも考えられます(自治体も東電がやらなければ、2次責任があります)。

でも、現実には電気代、税金をとっているわりにはいざと言うときに頼りにならないことも確かです.

もしこの2者が頼りにならない場合、レジ袋などにいれて庭の裏の方(人が行かない方)に少し穴を掘って埋めてください。

セシウムベータ線ガンマ線を出すことと、郡山の状態を見ても、取り除いた土砂を固めておけば、表面の放射線はそれほど高くはありませんでした。そのうち、東電か自治体が引き取りに来たら出せるように土の中に埋めておくのが良いと思います。

平成23年5月5日 午前9時 執筆)


武田邦彦